二軍本拠地の誘致なんて、要するに「泥だらけの巨大な予備校」を大金叩いてマチに作ろうとするようなものだと思わないか。
だってそうだろう。華やかな一軍のスポットライトを夢見て、来る日も来る日もバットを振り、這いつくばり、そして大半が誰の記憶にも残らず去っていく。そんな残酷で青臭い下積み施設を欲しがって、江別、恵庭、苫小牧の大人たちが血眼になっているのだ。
江別に至っては、かつて一軍誘致の勝者となった北広島に頭を下げて必勝法を乞うている。テストの成績優秀者にノートをねだる受験生のようなそのなりふり構わなさ、嫌いじゃない。一方の恵庭は教育と地域振興という意識の高いプレゼン資料で真っ向勝負に挑み、苫小牧は地元の美味いものをかき集めてお祭り騒ぎを起こし、外堀から埋めようと躍起だ。
情熱。署名。打算。
マチの命運を懸けた、大人たちの必死なアピール合戦。
それを「どこも懸念要素がある」と涼しい顔で値踏みする球団幹部の底知れぬしたたかさ。
群がる自治体。
品定めする球団。
この露骨で人間臭いオークションを、私は北海道の片隅からぼんやりと眺めているのが一番性に合っている。結局のところ、最終的にどの土地が選ばれようと私は毎日のスコアを追うのをやめられないのだから。
さあ、悔いのないよう存分にやり合ってくれ。


