「すみません」という言葉は、決して魔法の呪文ではない。
世の中の多くの大人は、とりあえず頭を下げておけばその場の空気が少しだけマシになると勘違いしているのではないか。しかし、どうやら北の大地に君臨するあの指揮官にその手は通用しないようだ。
エスコンフィールドでのロッテ戦。7対1という、本来ならあくびをしながら眺めるはずの9回表。マウンドに上がった福谷は、律儀にも無死満塁というサスペンスを用意してくれた。そこからの三者連続三振。まるで三流映画のような、あまりにも強引なハッピーエンドである。
試合後、福谷と女房役の清水が監督に「すみません」と頭を下げたという。まあ、凡人の感覚なら当然だ。見ているこちらの寿命すら縮んだのだから。 しかし、新庄剛志はこれを一刀両断した。
「この世界に『すみません』はいらない。言い続けたらもう使わんよ」
痛快だ。
結果がすべてのプロの世界。反省のポーズに価値はない。
謝罪はただの自己保身だ。打たれるか、抑えるか。
結果だけをテーブルに叩きつけろ。ペコペコする暇があるなら腕を振れ。
そういうことなのだろう。
とはいえ、ジェットコースターみたいな展開を見せられたら、見ている側としては文句の一つも言いたくなるというものだが、私だって彼らに「すみません」なんて求めていない。
勝てば官軍。負ければ酒の肴。ただそれだけのことだ。プロの覚悟だのなんだのという立派な教訓をありがたがるのは、お上品な野球評論家先生たちに任せておけばいい。どうせ明日も、悪態をつきながら、なんだかんだでゲームセットの瞬間まで見届けてしまうのだ。不出来なショーほど目が離せないという罠である。
新庄流「すみません禁止令」。無死満塁からの三者三振で謝罪?
日ハム

