開幕3連敗からのノーノー劇。ファイターズという名の劇薬

日ハム


プロ野球の開幕カードというのは、ファンの精神の耐久度を測るための悪趣味な実験なのではないか。

敵地で無残に散った開幕3連敗。
もう今年のペナントレースは終わった。
そんな荒涼とした心境で迎えた本拠地エスコンフィールドでの初戦で、いきなりノーヒットノーランを見せつけられるのだからたまらない。

細野晴希が投じた128球は、絶望の底でうずくまっていた人間を一瞬にして成層圏まで打ち上げる、あまりに危険な劇薬だった。

打線もどうにかしている。
2回に一挙7点。
清宮幸太郎とレイエスが揃ってアーチを描く。

それどころか、7回にもう一度同じ二人による花火大会のおかわりまで用意されていた。出来すぎた脚本を目の当たりにすると、人間は歓喜よりも先に深い疑念を抱く生き物らしい。これは新手の詐欺か。私たちは今、精巧なVR映像でも見せられているんじゃないか、と。

そして迎えた9回表、2アウト。
歴史的瞬間まであと一人。
凡打がファーストへ転がる。
清宮がそれを後逸する。

ここでそのスパイスをぶち込むのか。
完璧なフルコースの最後に、激辛のデザートを出された気分だ。

結局、次打者を空振り三振に仕留め、大記録は無事に完結した。スコアボードに美しく並んだゼロの羅列と、球史に刻まれる「史上91人目103度目」の確かな重み。

今夜は、128球の魔法に心地よく酔いつぶれよう。歴史の目撃者という肩書きをぶら下げて。

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