今川優馬がへし折ったバットと春のアーチ:物理法則と生存本能の衝突

日ハム

お前ら、木材の分子結合が悲鳴を上げる音を聞いたことがあるか。

林業の話をしているのではない。エスコンフィールド北海道、バッターボックスの話だ。 3月4日の西武戦。7回裏。与座の放ったストレートに、今川優馬のフルスイングが衝突した。
その瞬間、鈍く、そして残酷な破壊音が響き渡る。 バットがへし折れた。通常の物理法則、いや、古典力学の観点から言えば、打球は力なく内野を転がるか、野手のグラブにふんわり収まるのが自然の摂理である。
だが、白球は左翼席の彼方へと消えていった。エスコン今春第1号のホームラン

控えめに言って、宇宙の法則が乱れている。

バットが折れながらスタンドインする現象。俺はこの異常事態におけるエネルギー変換効率を「怨念的弾道学」と定義している。 キャンプ途中で2軍に幽閉され、林ヘッドコーチと「3本打てば1軍に残れるかな(笑)」などという、ブラック企業も真っ青な生存確認ジョークを飛ばしていた男の執念だ。

この一撃は、スイングスピードだのバレルゾーンだのといった無機質なデータでは計れない。俺が新たに提唱する単位「1イマガワ(=木材の結合組織を粉砕しつつ白球に規格外の推進力を与える精神的熱量)」が、エスコンの空気を震わせたのだ。

「バットが折れてホームランを打ったのは初めて」
当たり前だ。
普通の野球選手は一生経験せずに現役を終える。何故そんな日常のちょっとしたハプニングみたいにさらっと言えるのだ。

そして、8000万円超えの1984年式ランボルギーニという、バブル経済の幻影みたいな車で乗り付ける新庄剛志監督が、「あの1発はデカかった」と、この泥臭さの極致みたいなアーチを手放しで称賛している。この狂ったコントラスト。これだからプロ野球を見るのはやめられなーーーーい!

現在の日ハム外野陣は、控えめに言ってアマゾン川流域の食物連鎖である。万波が弾丸を放ち、五十幡が光速で移動し、水谷瞬が確実に獲物を仕留める。この魔境でスタメンを奪うなど、素手でピラニアの群れにダイブするようなものだ。 それでも今川は「死ぬ気でやっていきたい」と目を血走らせる。

わかっていただけましたでしょうか。プロ野球選手にとって、1軍の枠というのは、深海魚が水圧に耐えながら一筋の光を求めるような、残酷で美しいサバイバルなのです。
お前らも、この血みどろの生存競争を、冷暖房完備の快適なスタンドからビール片手に眺めようじゃないか。

今川の放ったアーチは、単なる1点ではない。日ハム外野陣という地獄の釜の蓋を完全に吹き飛ばす、狂気の号砲だったのだ。

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