「ノーコン左腕」の残像を消し去る細野晴希の現在地

日ハム

鼻水がナイアガラの滝状態で口呼吸しかできず、脳内が常に酸欠だ。おまけにコンビニのカフェラテに刺したストローの途中にヒビが入っていて、いくら吸っても虚無の空気しか上がってこない。花粉で顔面崩壊しているおっさんに世界は冷たすぎる。

でもな、昨日の東京ドームの細野晴希を見たかお前ら。

5回2/3を投げて被安打5、失点は内野安打の1のみ。奪三振7で最速151キロ。

数字だけを冷徹に切り取れば、ただの優秀な先発サウスポーの仕上がりを示す成績表だ。だが俺の網膜に深く焼き付いたのはそこじゃない。不利なカウントからの球種の選択だ。2ボールから平然とカットボールやスライダーをゾーンに投じ、打者の裏をかく。

かつての細野といえば、初期のガラケーの予測変換みたいな男だった。「す」と打っても「ストライク」とは出ず「すっぽ抜け」「スリーボール」と的外れな文字ばかり連続出力され、ファンの胃壁をゴリゴリ削るあの荒ぶり。

それがどうだ。いつのまにか最新のスマートフォンのごとく、意図したコースへサクサクと球を収めていく洗練されたシステムに魔改造されている。

6回、アウトローの直球でキャベッジを見逃し三振に斬ったあの3球目。あれはもはや球場に飾るべき芸術作品だ。あまりの完璧な軌道に本人すら3アウトと勘違いしてベンチに帰りかけるポンコツな愛嬌は、一体どう処理すればいいのか。

新庄監督も「いいピッチャーになりましたね」と手放しで褒めちぎるわけだ。自らの課題と向き合い、ボール先行でも変化球でカウントを整える術を身につけたプロ3年目。それってつまり、チームの屋台骨を背負う覚悟が決まったってことだろ。

あの制御不能な暴れ馬っぷりが少し恋しい気もする。だが、マウンドで汗を拭いながら見せたあの苦笑いに、俺たちファンはどこまでも狂わされていく。

開幕ロッテ戦、エスコンの熱狂の中でヤツがどんな新しい景色を見せてくれるのか。結局俺たちは、野球が魅せるこういう泥臭いドラマに生かされているんだよな。

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