常谷拓輝 背番号123が描くパラボラ曲線

日ハム

目ん玉を取り外して丸洗いしたい衝動。

花粉の野郎が網膜で暴れ狂うせいでコンタクトがズレて視界がぐにゃぐにゃだ。

でもその歪んだ視界の先で、背番号123が確かな輪郭を持ってバッターボックスに立っている。


常谷拓輝、22歳。北海学園大出身の育成ドラフト1位。

お前ら、彼がロッテ戦の3回に放った先制の2点適時三塁打の映像を見たか。

あの打球の軌道、まるで昭和の巨大な団地の中心にそびえ立つ給水塔のようだった。

決して最新鋭のタワーマンションのような派手さはないが、そこに住む者たちの生活の根幹を静かに、かつ力強く支える圧倒的な質量。

広角に打てる即戦力内野手という触れ込みは、どうやら見掛け倒しのハリボテじゃなかったらしい。


2020年の樋口龍之介を最後に、この球団における育成出身野手の支配下昇格はピタリと止まっている。

この分厚く冷たいコンクリートの壁を、ルーキーが素手でぶち破ろうとしている。

楽天戦での安打性の当たり(記録は失策)も含め、打席の中でとにかく食らいつく泥臭さ。

その猛アピールがこじ開けた、東京ドームでの巨人2連戦への同行延長。

これがどれほどヒリヒリする生存競争の果てに掴んだ切符か。


皆様、失うものがない人間のフルスイングがいかに美しく、そして恐ろしいか、ご存知でしょうか。


東京ドームのベンチに入るのも初めてだと目を輝かせる姿。

正念場だろうがなんだろうが、プレッシャーすらかわして「楽しむ」と笑ってみせる図太さ。

たまらねえな。

偏見の塊であるしがないおっさんは、こういう這い上がらんとする若者の背中に勝手に自分のポンコツな人生を重ねて、祈るように結果を待つだけの生き物なんだよ。


常谷、そのまま東京ドームの白い天井をぶち抜くようなスイングを見せてこい。

そして、支配下という重たくて最高の切符を引っさげて、地元に胸を張って帰ってこいよ。

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