正直に言う。
浅間大基がサイクル安打を打ったというニュースを見て、最初に出てきた感情が「喜び」じゃなかった。
「あ、2軍か」だった。
これはひどい言い方だとわかっている。サイクル安打は本物の快挙だし、2打数無安打から4打席で一気に揃えるなんて、集中力と技術がなければできない。6回の左越え三塁打も、8回の逆方向3ランも、素人目にも素晴らしい打球だった。チームも20安打19得点で大勝、浅間は4安打3打点。文句のつけようがない数字。
なのに、手放しで喜べない。
それはたぶん、浅間に対して持っている期待値が、ファームの数字ではとっくに満たされているからだと思う。この人がすごいのは、もう知っている。知った上で、一軍でそれを見たいと、ずっと待っている。
サイクル安打を達成したとき、浅間は何を考えていたんだろう。純粋に嬉しかったのか。それとも、早くこの場所を卒業したいと思ったのか。
後者だろう。後者であってほしい、と願っている。
エスコンのあの広さは、浅間の足と肩と打球にちょうどいいはずだ。
広いセンターを全力で追いかける背中も、外野の最奥からの送球も、右方向に流し打つ技術も、全部あの球場のスケールに合っている。2軍の記録簿に名前を刻む選手じゃない。
早く一軍に来てくれ。エスコンで待っているよ。


