楽天への苦言が即ブーメラン。エスコン球速消失で新庄の懺悔

日ハム

お前ら、廃墟の剥き出しになった錆びた鉄筋に、えも言われぬ美しさを感じるタイプの変態か? プロ野球のスタジアムという巨大なインフラも、突き詰めればただの冷え切ったコンクリートと鉄の塊に過ぎない。その無機質な空間に血を通わせているのは、ファンの熱気なんかじゃなく、バックスクリーンに燦然と輝く「数字」という名の電子の脈動だ。

エスコンフィールド、オープン戦の対西武。 4回まで、スピードガンの表示が完全に沈黙した。

お前ら、これがマウンド上のピッチャーにとってどれほどのサイコ・ハザードか想像できるか? 己の肩甲骨を限界まで軋ませ、指先の毛細血管を焼き切るような摩擦とともに投じた渾身のストレート。キャッチャーミットの乾いた破裂音は鼓膜を震わせるのに、世界(=電光掲示板)は完全な無反応を貫く。
これは医学における「幻肢痛」の症状と完全に同義である。失われた手足が痛むように、「絶対に出ているはずの150キロ」が世界に認知されないことによって生じる、脳の深刻なバグ。

西武の投手陣は、光さえ吸い込む深海の底で、誰にも届かないバイオ発光を繰り返す深海魚のような、果てしない孤独と精神的拷問を受けていたのだ。マジで不憫すぎるンゴ。

だが、この事件の真のエンターテインメント性はそこにはない。 日本ハムの指揮官・新庄剛志が、わずか半月前の沖縄で楽天の球速表示の遅さに対し「プロ野球ですよ、ここ」と冷徹な指摘を放っていたという、この伏線回収の美しさである。

他者のインフラの綻びを指摘した直後、総工費600億円を誇る自軍の最新鋭要塞が、よりによって「完全沈黙」という最悪の形で機能不全を起こす。 地質学的に言えば、過去に自分が放ったマウント発言のプレートが沈み込み、現在の現実というプレートと激しく衝突して引き起こされた「自己矛盾の直下型地震」である。

この際に発生する気まずさの摩擦係数を測る独自単位を「マイクロ・ウロボロス(μUb)」とするならば、今回の新庄監督からは推定8万μUbという、観測史上類を見ない莫大な矛盾エネルギーが検出されたと言っていい。草しか生えない。

しかしだ。ここで「いや、球場の機械の不具合なんで」と裏口から逃走しないのが、新庄という男の業の深さである。 試合後の第一声で「西武さんには申し訳ない」と平謝り。己の後頭部にブーメランが深々と突き刺さったまま流血しているというのに、真っ先に相手投手の「球速的・幻肢痛」を気遣うこの底知れぬ共感能力。派手なパフォーマーの皮を被った、野球という呪いに囚われた美しき求道者である。

完璧なシステムなど存在しない。すべては風化し、バグり、いつかは壊れる。そのエラーの隙間にこそ、人間の生々しい本性が露呈するのだ。

わかっていただけましたでしょうか。だからこそ、我々のようなしがない偏見の塊のおっさんは、今日も球場から目が離せないのです。

とりあえずエスコンの配線担当者は、今すぐハンダゴテ握って基盤から直してこい。

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