主砲の後ろに座る男の執念、郡司裕也というドキュメント

日ハム

ベンチの最前列で誰よりも声を張り上げる。

またある時はひょうきんな仕草でチームを笑わせるムードメーカー。

しかしその奥底で、誰よりも熱い炎を燃やしている。そんな男がいる。

郡司裕也、背番号3。

昨年の秋、ペイペイドームのベンチからホークスの歓喜をじっと見つめていたあの虚ろな目を、私は鮮明に覚えている。あれから5ヶ月、北海道の厳しい冬を越え、彼は開幕4番サードという大きな期待と恐ろしい重圧を背負って再びあの場所へ向かうのだ。

まったく、この男はどこまでファンを振り回せば気が済むのだろうか。

「ウチの主砲はレイエス。歩かせたとて…4番の郡司もかなりめんどくさいなと思わせたい」だと。

なんていやらしい、そして頼もしすぎるセリフなんだろう。レイエスの後ろでネクストバッターズサークルで素振りをする姿を想像するだけで、相手バッテリーの胃が痛むのが手に取るようにわかる。

普段はあんなに人の良さそうな笑顔で周りを和ませているくせに、バッターボックスに立てば途端にねちっこく、相手の嫌がることを平然とやってのける。そのギャップがたまらなく恐ろしい。

「北海道ごと温めていければ」なんて気の利いた言葉を口にする余裕すらあるのだから、もう完全に彼の手のひらの上だ。

福岡の地で、あの一見おどけた声出しの裏に隠されたアツい執念が爆発する瞬間を、私はただ息を潜めて待つしかないのだ。

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