ボスの囁きと配球の絶望。進藤勇也が魅せた不器用な生存戦略

日ハム

さっきコンビニで買ったアメリカンドッグの衣がカリカリじゃなくてフニャンフニャンで、これ揚げた奴の味覚バグってんのかとキレそうになりながら画面に向かっている。

お前ら、進藤のホームラン見たか。

巨人相手に8-1でボコボコにされてる東京ドームの7回。負け戦の濃厚な気配がドロドロ漂う中で、泉のスライダーをレフトスタンドにぶち込んだあのソロアーチ。プロ3年目、去年イースタンで4本打って1軍ゼロだった男が、オフのフィジカル改造を経て「まるっと違う」スイングを叩きつけた。

ただのまぐれ当たりじゃない。打席前のボスの囁き。「どっちかに絞っていってみぃ」。この魔法の呪文。昭和の特撮ヒーローの着ぐるみが激しいアクションで背中のチャック壊れてボロボロになっても、裏でスタッフがガムテープ貼ってツギハギして、いざカメラの前に立つと必殺技が異常にカッコよく見えるあの奇跡の修繕作業。あれと同じ。割り切り。

思考のノイズをガッツリ削ぎ落として、スライダー一点読みに全ツッパしたあのフルスイング、控えめに言って最高だったよな。

だがしかし。有原とバッテリー組んで5失点の2被弾。本人は「配球が問われる、痛感した」とか神妙な顔して反省してる。当たり前だ。コントロールミスの少ない有原をリードしてボコられる、それはつまり捕手としての脳みそが丸裸にされたってこと。打つだけなら指名打者でいい。扇の要っていうのは、グラウンドで唯一全員の顔を見てるヘヴィで孤独なポジション。

でもさ、お前らもわかってるだろ。進藤がここで分厚い壁にぶち当たって、苦しんで、あのフニャフニャのアメリカンドッグみたいに心が折れそうになりながらも、バットで強烈な自己主張をしたって事実。

それがたまらなく尊い。
打って、反省して、ボスの言葉で覚醒のショートカットキーを見つけて。

ただのおっさんはね、こういう不器用だけど必死に己のバグを修正しようともがく選手を見ると、どうしても肩入れしたくなっちゃうわけですよ。おわかりいただけましたでしょうか。完璧な人間なんていない。配球でやらかしても、あのレフトへの美しい放物線がある限り、俺たちはアイツの未来にフルベットできる。

明日もまた、泥臭い成長の過程を肴に酒を飲む。悪くないよな。

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