先輩の顔で冷静に?野村佑希の怒りと忖度が生んだ決勝3ラン

日ハム


プロ野球において、相手ベンチの「申告敬遠」ほど劇薬になる演出ってないと思わないだろうか。

目の前のバッターを歩かせ、自分との勝負を選択される。プロのプライドをこれでもかと逆撫でされる屈辱の瞬間。当然、打席に向かう野村佑希の脳内も「まじなめんな」と沸点に達していた。ドラマならここで怒りのフルスイングが炸裂し、痛快な放物線を描くのがお約束の展開である。

しかし、現実はいつも少しだけ滑稽だ。

バッターボックスに入り、ふと視線を落とす。そこにはマスクを被った相手キャッチャー、花咲徳栄高校の先輩である若月の顔があった。その瞬間、ジェームスの怒りのボルテージは急速冷却される。

プロの意地よりも、骨の髄まで染み付いた縦社会のDNAが勝ったのだ。怒りを先輩の顔面効果で相殺し、すっと冷静さを取り戻して放り込んだ決勝3ラン。さらには西川先輩への気遣いまで口にする律儀さ。どんだけ先輩の顔色気にしてんのさ、と画面越しに突っ込まずにはいられない。

今、チーム内には「どんな点差でも誰かが打つ」という、無敵の空気が蔓延しているらしい。

でもそんな都合の良い魔法がいつまでも続くほど、ペナントレースは甘くないだろう。いつか必ず、どうにもならない貧打と連敗の沼に沈む日が来る。

ただそんな怖いもの知らずの彼らが、このまま勘違いを真実に変えてしまうのだとしたら、それってなんて痛快なエンターテインメントなんだろう。

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